2014年12月14日

ベルギー、ファビオラ王妃国葬


国民に慕われていた、ベルギーの亡きボードゥアン一世国王の王妃ファビオラが、
86歳で逝去され、フランスではマスコミが大きく取り上げています。
遠方から美智子皇后がお出でになり、葬儀に参列なさったことに対する高い評価も新聞に報道されていました。

ベルギーはフランスの隣国であるだけでなく、1831年に初代ベルギー国王となった
レオポルド一世の妃は、フランス国王ルイ・フィリップの王女ルイーズ・マリーだったので、血の繋がりもあるのです。

スペイン貴族の家に生まれたファビオラが結婚したボードゥアン一世は、長い間独身だったために国民が心配していたほどでした。父レオポルド2世国王が退位し、皇太子だったボードゥアンが国王になったのは21歳の若さ。母を交通事故で5歳のときに亡くしていた彼は、内向的な人だったと言われています。

彼は愛のない結婚は考えられないと、生涯を共にしたい女性とのめぐり合いを待っていたのですが、それが実を結んだのは1960年、30歳のときでした。

スペイン人特有の明るい性格のファビオラは、ボードゥアンに多くを与えましたが、子孫には恵まれませんでした。温和な性格で国民に愛されていた国王は、妃の故郷で1993年に心不全で、突然、逝去されます。

ファビオラは希望の印の白い服で葬儀に現れ、ご自分の葬儀にも白い服を着せて欲しいと遺言を残していたそうです。希望あふれる白を好んでいた彼女は、フランスでは「白い王妃」と呼ばれています。

ずっと彼女を待っていた夫の傍らに埋葬され、美しい愛の物語はお二人の間で今後も続いていくのでしょう。